書評

やっさもっさ|戦後の社会問題を取り込みながらも楽しませてくれる一冊

単にシウマイのカバーに惹かれたからです。
タイトルの「やっさもっさ」とは大騒ぎ、揉め事という意味です。

主人公は戦後の横浜を駆けずり回る孤児院の理事

双葉園の理事 志村亮子

横浜生まれ。孤児院「双葉園」の理事となり、その運営に奔走する女性。
周りに個性的な人物が集まり、ドタバタ劇の主人公となる。

亮子の夫 志村四方吉

亮子と同じ横浜生まれ。志村家に養子に入った亮子の夫。
戦前は亮子にとって頼もしい男性であったが、戦争終結と同時に腑抜けになってしまった。

双葉園の園長 福田嘉代

横浜の福田財閥2代目の未亡人。82歳。
大正時代に「慈善婆さん」のあだ名を持つほどの慈善事業が道楽の女性。

物語は横浜双葉園バザー会場から始まります

横浜双葉園バザー会場では多くの来場者がいます。
バザーも盛況で亮子もお客様の相手で大慌て。
そこに突然、模擬店作りの令嬢が血相を変えてやってきます。
その会場には似つかわしくない女性がやってきたのです。
そんな彼女にも毅然とした態度で相手をします。

昭和感満載

自分の生きてきた時代ではないのですが、なぜか懐かしさを感じる物語です。
まだ幼い頃見た戦後のテレビドラマと言った感じでしょうか。
それも喜劇。

舞台は横浜

志村亮子は孤児院「双葉園」を運営に奔走します。そこへアメリカ人の実業家、文芸評論家、夫人運動家、プロ野球選手と様々な人がやってきます。
夫の志村四方吉は戦争による虚脱症で腑抜けになってしまいます。
2人を中心に多くの人を巻き込みながらドタバタ劇が始まります。
戦後の話ですが決して悲観的でない。どこか温かみのある物語です。

まとめ

舞台は戦後の横浜。私もまだ生まれていない頃の話です。
でも、なぜか懐かしさを感じる話です。
どこが懐かしいのだろう?
そう考えているうちに思い出されたのが幼い頃に見たテレビの喜劇番組。
もう番組タイトルも出演者も覚えていませんが、本書を読み終えるとそんな番組の映像が頭をよぎりました。
令和の現代からすれば決してワクワクする物語ではないのですが、なぜか惹かれていくお話でした。