書評

ある青年の青春の1ページの話|府中三億円事件を計画・実行したのは私です。

たまたま、ネットで書籍になることを知りました。この事件はわたしがまだ幼い頃に起きた事件でした。当時はすごいことが起きていることしかわかりませんでした。大人になった今でもすごい事件だと思っています。これだけの事件を起こして誰も死んでいないのですから。いったいどういうことだったのか興味が湧き、読むことにしました。

主人公は著者である白田

三億円事件の首謀者 白田

現在は息子夫婦と暮らしているようです。事件のあった当時、大学二年生でした。事件を起こす前には退学しているようです。

白田の友人 省吾

事件当時、少年Sとして最も重要な容疑者として扱われていたようです。のちに自殺を図っています。

物語は白田が告白文を書くに至った心境から始まります

白田はある時最愛の妻を亡くします。それがキッカケとして白田は誰かに真実を伝えなければならないと考え始めました。そして、息子にすべてを話します。

本書の世界観は青春

本書を読んで感じたのは、わたしが想像していたものとだいぶ違うものでした。もっとお金に執着している人がやったのかなと思えば、そうではない。ある意味、20歳前後の若い頃にちょっとした危ない橋を渡ってみたいという願望。そのようなものが突き動かしていったのかなと感じました。

テーマは愛

白田が本書を書く思いに至ったキッカケは省吾に対する裏切りへの贖罪にあったと思います。そして、友人を裏切るキッカケとなったのは白田の大学の友人である京子。京子は一度は省吾の恋人になります。そして、のちに白田の恋人になり、事件に手を貸すことになります。
もし、京子が省吾のもとを去らなかったら、事件が起きたとしてもこのような結果にはならなかったのではないかと思いました。

まとめ

事件のことより、白田と省吾、京子そして三神千晶。四人の四角関係ともいえるようなちょっとドロっとした関係ばかりが気になってしまいました。昭和の鬱々しい青春物語といったストーリーと感じました(昭和の青春物語って爽やかな物語という印象しかないので鬱々しい青春物語があったのか、自分で書いていても疑問です)。

できればこのまま終わらせて欲しくないという気持ちが強いです。最後まで添い遂げた妻は京子だったのか、誰しもが関心を持つところだと思います。また、お金はどうなったのかも知りたいところです。なぜか読者が知りたいようなことが伏せられて終わったしまったように感じました。

なお、未収録のエピソードが「小説家になろう」というサイトに書かれています(2019.04.25現在)。
府中三億円事件の幕開け――少年Sとの出会い