書評

余分なものを捨てた先にあるものは本当の幸せ|あるミニマリストの物語

ミニマリズムの本だったので、興味深くなりネットで購入しました。本書を手にとって開いてみるといい意味で想像していたものと違っていました。

主人公はすべてを捨てた男 ジョシュア・フィールズ・ミルバーン

ミニマリスト ジョシュア・フィールズ・ミルバーン

トップクラスの販売マネージャーにまで登り詰めたが、あるとき余分なものを捨てミニマリストになりました。ミニマリストとしてどのように変わっていくかが本書で描かれています。

物語の始まり

本書は主人公の一人称で物語が進んでいく。彼は20代のほとんどの時間を仕事に注ぎ込みました。そして、トップクラスの販売員となり、後には販売マネージャーとなりました。欲しいものは何でも手に入りました。しかし、母の死をきっかけに、自分に与えられたもの、自分が持っているものに思いやりを持つべきかもしれない、と感じるようになりました。

本書の世界観は「本当の幸せ」

本書は主人公が高収入と物に囲まれた生活を捨て、本当に必要な物だけで生活することを選んだ物語です。その変化が描かれています。主人公は本当に必要な物はずっと少ないということを知り、その変化の中から本当の幸せを見つけています。主人公の考える「本当の幸せ」とは何なのか、わたし達にとって「本当の幸せ」とは何なのか、それを考えされてくれる書籍と感じました。なので、世界観は「本当の幸せ」としました。

キーワードは「ミニマリズム」

本書のキーワードはずばり「ミニマリズム」です。本書に書かれている「ミニマリズム」は単に物を持たないということだけではく、仕事、人間関係についても描かれています。

物については、以下の表現が印象的でした。

IKEAで買い物をすることはちっとも悪いことじゃないし、ソファとかテレビとかを所有することだって悪いことじゃない。アイテムそのものに問題があるわけではない。問題があるのは僕だ。本当に問題なのは、この10年間、いや、この30年間、一度も自らの無節操な消費主義に疑問を持たなかったこと。

何も疑問を持たずに消費していることに対する戒めのような言葉です。

そして、仕事については、以下の表現が印象的でした。

仕事vsパッションの対立。このアンバランスが蔓延する理由は、どうやらふたつありそうだと僕は気がつく。ひとつ目の理由は「あなたは何をされているのですか?」という質問が僕らの社会で一般化していること。

主人公は「あなたは何をされているのですか?」に対する回答として仕事を答えることに疑問を持っている。そうではなく、何にパッションを燃やしているか、それが大切なのではないかと考えているのではないでしょうか。ここでのパッションは情熱という意味で捉えれば良いのでしょうか。英語に詳しくないので、あまりわかりませんでした。もしかしたら、主人公の思いをピッタリと表せる表現がなかったので翻訳者もあえて「パッション」とカタナナで表現したのかもしれません。

人間関係については、以下の表現が心に残りました。

意味なくしがみついている人間関係。悪い習慣。時間やお金やエネルギーを無駄に消費するだけの行為。ミニマリズムはそういう事物を特定するのに役立つんだ。

人間関係すべてを不要しているのではありません。ただ、意味なくしがみついていないかといっています。そういった人間関係は時間やお金やエネルギーを無駄に消費するだけであり、そういった関係を断ち切ったほうが良いとしているのです。

まとめ

わたし自身のことを振り返ると、会社員時代はまさに本書の主人公のミニマリストの道を歩む前だったように思います。物を持つことがステータス、そんな生き方をしていました。多くのことを経験してきながら、今だんだんと物への執着がなくなってきたと感じます。もちろん、すべてを捨てるというわけにはいきませんが、できるところから一歩ずつ進めています。
そして、いずれは心の底から「今わたしは本当に幸せだ」と言えるようになれればと思いました。
最後に本書の中から人間関係でとても素敵な言葉を見つけました。

「あなたと一緒に過ごせたら、それが私にとって最高のプレゼントだ」

お互いにこの言葉をいえる人たちと過ごせる生活、とても素敵です。そう感じました。