最近読んだ本で直感の大切さを説いた本があったので、本書に触れてみることにしました。
目次
本書を読んでほしい方
自分の直観を信じ、直観を鍛え、直観を日常生活に活かしたいと考えている方。
著者の紹介
メンタリストDaiGo
慶応大学理工学部物理情報工学科卒業。英国発祥の人の心を読み、操る技術”メンタリズム”を駆使する日本唯一のメンタリスト。テレビ番組への出演多数。現在は、作家、大学教授企業顧問として活躍中。心理学を応用し、ITサービスから遺伝子検査まで様々なプロダクトを開発している。ビジネス、話術から恋愛、子育てまで、幅広いジャンルで人間心理をテーマにした著書は、累計160万部を突破。
主な著書:一瞬でYESを引き出す 心理戦略(ダイヤモンド社)、図解 自分を操る超集中力(かんき出版)、ポジティブ・チェンジ(日本文芸社)、トークいらずの営業術(星雲社)
オフィシャルサイト:http://daigo.me/
構成
本書は以下のような構成になっています。
2章 直観力がアップする7つの条件
3章 直観をニブらせる7つのワナ
4章 バイアスを回避するための5つの生活習慣
5章 直観を手なずけるトレーニング
要約
直観とは何か。本書では「論理的な思考や意識的な観察を介さず無意識に意思決定すや判断が行われること」(p.4)と定義されています。著者は直観は脳の判断の仕方の一つであり、持って生まれた才能ではなく誰でもその能力を高めることができると言っています。そして直観を使いこなすと意思決定が速くなり、後悔しない判断ができるようになるというのです。ただ「なんとなく」で判断を行うことでこのようなことができるようになる。直観力を身につける価値は多分にあります。
中でも特に興味深かった3つのポイントについて、以下に示していきたいと思います。
ポイント1 直観を活かすための原則
著者のいう直観を働かせるための原則は以下の3つです。
- 最強の根拠は「なんとなく」
- 直観は「技術」
- 「行動」なくして直観なし
なんとなく、気になる。なんとなく、これを選んだ。この「なんとなく」で決めたり、選んだりしたことが正解だったということはよくあります。著者はイスラエルの大学の研究を引用して「『人間の直観は90%近い確率で的中する』ことが証明されています」(p.23)といっています。なんとなくとは言っても過去の経験や記憶から無意識かつ高速にヒントを教えてくれるので、脳の論理的思考が働いているというのです。ただし、分析して答えの出るものは分析することを勧めています。あくまでも分析できないとき直観に頼るのです。
著者は直観について、以下のように説明しています。
積み重ねた知識や経験、記憶のデータベースから引き出された答えのこと。 p.41
つまり知識や経験、記憶を積み重ねれば直観は習得できるのです。誰もが習得できる技術であるとしています。そして、その直感を活かすには、自分が自分自身の持つ直観を信じることが大切であると説いています。
その直観を信じることができても、行動を伴わなければなかったことになってしまいます。直観で何かを選択しても、それを試してみなければ直観が当たったか否かもわかりません。直観で選んだものを行動に変えることによって、それが当たったことが確信できます。結果的に自分の直観を信じることにもつながるのだと思います。
ポイント2 直観力がアップする条件
著者は直観力がアップする条件として、以下の7点を挙げています(p.75より。
- 多くの知識・経験
- クリエイティブな視点
- 脳の余裕・心の安定
- 損得よりも楽しさ&おもしろさ
- 仲間やライバルがいる
- 一芸に秀でる
- 脳にメリハリ
直観とはヤマカンではないのです。なので、多くの知識・経験が必要とします。そして、その常識を疑ってみる。これがクリエイティブな視点です。「守破離」という言葉がありますが、まさにこの考え方ではないでしょうか。
ポイント3 直観力を作り上げるためのトレーニング
著者は直観は技術であり、鍛えることができるとしています。では、どのように鍛えるのか。そのトレーニング方法として以下の5つを挙げています。
- 「当たった直観」を書き出す
- 相手の「いいこと」情報を集める
- 4つのゲームで直感の精度をアップする
- 暮らしに「笑い」を取り入れる
- 「食」と「住」に気を配って脳を活性化する
このトレーニング、普段の生活に取り入れるのに大変なものもありますが、直観と関係なくその人にとってプラスになることが多いです。意識的に取り入れるメリットが多いと思いますので、日頃から少しずつ意識していきたいものです。
まとめ
ITやAIの向上に伴って、人の仕事がどんどん奪われていくと言われるようになってきました。コンピュータに任せられることは任せた方が効率が良いですし、生産的であることは言うまでもありません。そのことによって、将来人がしていた今までの仕事で奪われるものも出てくるかもしれません。そのような中、人間に求められるものは何なのか?著者はそれに対する回答として「おわりに」にて「クリエイティビティ」と書いています。コンピュータに持つことができない創造性、これが人間に求められる時代がきているのです。そして、創造力を引き出すのが「直観」です。「直観」こそが、これからの人に必要となる切り札になるというのが著者の考えです。