前著を読んでいたので改めて本書に手を出しました。
目次
本書を読んでほしい方
前著を読んだ方。
著者の紹介
遠藤洋
投資家、自由人。投資コミュニティixi (イクシィ)主宰。1987年埼玉県生まれ。
ブログやウェブサイトの情報は本書には記載されていませんでした。
構成
本書は以下のような構成になっています。
STEP2 「投資戦略」をつくってみよう
STEP3 「値上がり株」の見つけ方
STEP4 勝つ投資家は情報を「捨てる」
STEP5 必要最小限の株価チャートの見方
STEP6 株価を買った後はどうすればいい?
STEP7 保有株が暴落したらどうすればいい?
要約
前著で著者の投資について説明されていましたが、本書ではそのレベルアップ版として投資戦略や値上がり株の見つけ方や買った後どうすべきかが書かれています。個人的にはEpilogueにかかれている「コロナショックの裏側」がとても興味深いものでした。私にとってはこれだけでも本書を読む価値がありました。
中でも特に興味深かった3つのポイントについて、、以下に示していきたいと思います。
ポイント1 「値上がり株」の見つけ方
著者は株の購入は上がり始めたら購入するように勧めています。
基本的な投資のベストタイミングは、「出来高」(1日に売買が成立した株数)が増えたうえで、株価が上がり始めたら「買い」です。 p.69
これは私も同意見です。出来高がないのに株価だけが上げた株はだいたい下げます。もちろん、出来高を伴わずに上げ続ける株もありますが、基本的にはこの考えでしょう。著者はその上で株価上昇のシグナルとして業績上方修正を挙げています。その際に以下の4つのシグナルをいち早く捉えることで、いいタイミングで上昇トレンドに乗ることができるとしています。
- 業績進捗率の高さ
- オフィスの拡大
- 採用数の増加
- 広告宣伝費の増加
この点については前著でも触れられていましたが、本書の中でも触れられています。この辺りを読むとトレードとは違う株式投資の大変さが伝わってきます。
ポイント2 株価暴落の予兆
この点について今回ポイントに挙げたのは前著ではあまり触れられていなかった点と思ったからです。また昨年はコロナショックで一時暴落しました。そういうことは必ず起こるということで今回取り上げてみました。
株価暴落の予兆には以下の4つの点が挙げられています。
- 株価が急騰したとき
- 信用買いが増えすぎたとき
- 素人が買い始めたとき
- 人の行動が変化したとき
この中で一番気になったのは「素人が買い始めたとき」でした。何を持ってして素人が買い始めたと判断するのか疑問でした。結局本書では「明らかに普段投資をしない人たちが最近買っているな」と感じたときとなっています。この辺りは世間に目を向けて嗅覚を養っておく必要がありそうですね。
ポイント3 コロナショックにて
先にも書きましたとおり、本書ではEpilogueに「コロナショックの裏側」として書かれています。なるほどと唸る点が多かったのでポイントの一つにしました。
2020年2月13日 NYダウ、最高値更新。
ダイヤモンド・プリンセスでの集団感染があった後にも関わらず新型コロナの影響が織り込まれていない。
2020年2月18日 日本国内でも新型コロナウイルス感染者が発生
日経平均は新型コロナウィルスによる実体経済への打撃を織り込むレベルまで下げなかった。
2020年2月25日 株価下落
2月13日や2月18日の時点で喜んでいるのではなく、新型コロナが猛威を奮っているのになぜ株価は下がらないのだろう。そう思う視点が必要なのだと納得しました。私自身はこのときニュースを見たり読んだりして「大変だな」とおもっているだけでした。この辺りの嗅覚は養いたいと思います。
まとめ
2021年日経平均が3万円を超えました。一方、出来高は徐々に落ちています。そもそも実体経済は悪くなっているのに株価が上がっている。これは不思議なことなんです。本書でもこの点について取り上げています。いずれ無理がたたって暴落するときがくるのではないかと思います。私自身は現在個別株投資は本格的に取り組んでいませんが、次の暴落がきたら取り組んでいこうと考えています。本書はその時のために勉強として読みました。