書評

バズる書き方|文章力より大切なことを教えてくれる1冊

帯に惹かれました。
文章力で悩んでいる自分にとって「文章力はいらない!」と言われるのが驚きだった。

本書を読んでほしい方

文章をSNSにアップするのが苦手な方。
自分の投稿をより魅力的にしたい方。

著者の紹介

成毛眞

1955年北海道生まれ。元日本マイクロソフト代表取締役(1991年就任、2000年退任)。その後、投資コンサルティング会社のインスパイア設立。書評サイトのHONZ代表。
HONZ( https://honz.jp/ )

構成

本書は以下のような構成になっています。

第1章 バズる文章は内容ではなく見た目が9割
第2章 読み手の心をつかむ書き方
第3章 絶対に誤解されない書き方
第4章 「1行」で読ませる書き方
第5章 どんな相手にも共感される書き方
第6章 人を動かし、買わせる書き方

要約

SNSで誰もが発信できるようになった現代において、「1億総中流時代」に代わって、「1億総書き手時代」が訪れました。誰もが手軽に発信できるようになった今、どのようにすれば多くの人に読まれ、心を動かすことができのか。その勘所とコツを伝えてくれる1冊です。

中でも興味深かった3点について、以下に示していきたいと思います。

ポイント1 読み手に読ませる文章

読み手に読ませるための文章を書くには以下の3点が注意点として述べられています。

  1. スマホ仕様の見栄え
  2. スマホで見やすくする文章術
  3. 漢字の閉じ開き

1のスマホ仕様の見栄えについてですが、これは私も意識していない点でした。現代社会においてSNSを読む場合、パソコンで読むよりもスマホで読むことのほうが圧倒的に多いです。ですから、スマホで見やすいかどうかが要だと筆者は言っています。

スマホでみやすくするための文章術として3点挙げられています。

  1. 「1字下げ」をしない
  2. 140文字に1行間を作る
  3. 特殊文字は使わない

学校では段落の最初では1マス空けるように教えられてきました。それが横書き、スマホではあまり意味がないということです。
私は以前会社勤めのときは、横書き文書でも段落の最初は1マス空けていました。ですが、ブログを書くようになってからはみようみまねで1マスを空けることを止めています。

適度に行間を空けることも読みやすさにつながるとしています。目安としてはスマホ画面で「最低でも2ヶ所」に1行空きが入ったほうが良いようです。140文字というのはその目安です。
私は以前とある方に教わってできる限り句点ごとに改行をしていました。それでも詰まるものは詰まります。意識的に行間を空けたほうが良さそうですね。

スマホは大きくiPhoneとAndroidがあります。その2つでは使える絵文字や特殊文字が異なるものが異なります。なので、できる限り絵文字や特殊文字を使わないことを筆者は勧めています。また、絵文字は場合によっては誤解をあたえることもあります。そういう意味でも使わないに越したことはないでしょう。

3の「漢字の閉じ開き」とは、「漢字で書くか、ひらがなで書くか」です。ひらがなで表記することを「開く」、漢字で書くことを「閉じる」というようです。これは私も悩むところです。今使っている「私」ですが、「私」がいいのか「わたし」が読みやすいのか気になりますね。筆者はいかのように述べています。

漢字の閉じ開きに絶対の正解はない。読むほうの立場になってみて、どれくらいの加減だと読みやすいか、自分の感覚で決めていけばいい。 p.35

とは言われても、どのように使い分ければ良いのか、まとめ方が知りたいものです。

ポイント2 読み手の心をつかむ文章

読み手の心をつかむ書き方にはどのようなものがあるのでしょうか。筆者は以下の点を挙げています。

  1. 魅力的なリード文
  2. 気軽なエッセイ
  3. 「孫引き」はしない
  4. 3日に1度の複数投稿
  5. 「 読み手と情景を共有

「魅力的なリード文」とは、読者を「おっ」と思わせる文章ということです。それができなければ目に留めてもらえない、というわけです。

「気軽なエッセイ」とは、ロジカルな文章であるよりもとりとめのない文章の方がバズりやすいというのが筆者の主張です。

「孫引きはしない」とは裏が取れていいない記述をしないということです。そのためには「自分の体験による記述」、第三者の記述なら「参照元のリンク」を必ず貼りつけることを勧めています。これは、バズる文章ではなくとも注意すべき点ですね。

SNSで存在感を高めるためには、コンスタントに投稿する必要があります。筆者はそれでも毎日投稿より数日おきの投稿を勧めています。面白くもない投稿をするくらいなら3日ごとに真剣に書いたものを投稿する方がバズる可能性が高くなるからです。さらには毎日投稿していたら、読み手は飽きるだろうと考えています。これは私も感じたことです。頻繁に投稿するので、嫌になりフォローを外したことがあります。今回筆者の考えるSNSはTitterよりもFacebookのような比較的長文を書くことを対象にしていますが、Facebookでは顕著に感じられるかもしれません。

「読み手と情景を共有」というのは、私にとってはひとつの文章術だと思います。本書を読んで納得させられました。このような書き方の勉強方法はあるのでしょうか。

ポイント3 読み手に買わせる文章

ブログを書いている方にはアフィリエイトなどで購入してほしいという目的の方もいらっしゃると思います。私もその一人です。そのような人に対する筆者の提言になるのが、以下の3点ではないでしょうか。

  1. 遠慮気味に書かない
  2. 「言わずもがなの一文」が要
  3. 最後のひと押し

人に協力を呼びかけるようなとき、筆者は以下のように考えています。

協力を仰ぐには読者の心にストレートに訴える必要がある。そこに遠慮や忖度はいらないのである。 p.199

中途半端な書き方をすると、投稿者の意図が歪曲されて読まれる場合があるからです。そこで率直にお願いしたいことを伝えた方が良いとしています。さらに何かを呼びかけるときは、自分も実際に行動していることの必要性も述べられています。

「言わずもがなの一文」とは、読者に汲み取ってもらうような文章にしないことを言っています。ひと言を添えて、読み手に投稿者の認識が伝わるようにすることを勧めています。

そして、最後のひと押し。SNSにはいくつものメッセージが次から次へと流れてきます。その中で自分の文章を読んでもらい、自分のおすすめに反応してもらえるようにするには最後のひと押しが必要だというのです。もっとも私もTwitterやFacebookで「いいね」をクリックしても最後まできちんと読んでいることが少ないです。今の自分の行動がSNS利用者の平均像なのかもしれません。それを意識しないといけなんですね。

まとめ

筆者が代表を務めるHONZは私も拝見しています。その内容はとても「文章力」がない方が書いたとは思えません。それでも本書のようなことを筆者が書かれるというのは、まずは書き手の文章に目を留めてもらい読んでもらうことが大切なことを考えられていたからではないかと思いました。

本書にかかれていることは納得できることばかりでしたが、具体的にどうすればいいか考えてしまうところもありました。どれもひとつひとつやりながら直していく、そういう姿勢が大事なのかなと思っています。