書評

論理力の基礎は3つ|論理思考力をきたえる「読む技術」

今回紹介するのは出口汪さんの『論理思考力をきたえる「読む技術」』です。出口汪さんを知ったのは佐藤優さんの『読書の技法』で著者の書籍が紹介されていたからです。現国の予備校講師かと思ったものですが、『読書の技法』で紹介されていた書籍をいざ読んでみると現国がわかりやすくびっくりしました。今回はその現国の予備校講師が社会人向けに書いた本です。社会人になって現国がどのように役に立つと興味がわき、手にとることにしました。
そういえば、著者は『ドラゴン桜』でも紹介されていたように記憶しています。

本書を読んでほしい方

中学、高校時代にならった現代文の知識を社会に出て活かしたいと思っている方、読書で論理力を伸ばしたいと思っている方に一読の価値があります。

著者の紹介

出口汪

水王舎会長、東進ハイスクールおよびS.P.S.(スーパー・プレップ・スクール)の現代文・小論文講師、広島女学院大学客員教授。
1955年生まれ。関西学院大学博士課程修了後、代々木ゼミナールを経て、東進ハイスクールの講師となります。
著書に『出口のシステム現代文』シリーズ等があります。
出口注オフィシャルサイト:http://www.deguchi-hiroshi.com/

構成と読みやすさ

本書は以下のような構成になっています。第1章に問題があります。この問題をやってみて、今の自分の論理力を判定してみるだけでも良いのではないでしょうか。ちなみにわたしは35点以下で「論理を無視して、自分勝手な読み方をしている」でした(笑)4、5章で論理について説明されていますので、1章を読んでから4、5を読むと良いと思います。

第1章 あなたの論理力はどのレベル?
第2章 論理とはなんだろう?
第3章 まずは言葉の使い方を変えてみよう
第4章 論理の基礎を学ぼうⅠ
第5章 論理の基礎を学ぼうⅡ
第6章 読書テクニックを身に付けよう
第7章 ロジカル・リーティングを実践してみよう
第8章 1冊のストックノートにまとめてみよう
第9章 論理力を普段の生活に生かそう

論理力の基礎は3つ

著者は論理力の基礎に以下の3つをおいています。

  • イコールの関係
  • 対立関係
  • 因果関係

論理はこの3つの関係の繰り返しだとしているのですね。
イコールの関係とは、筆者の主張とその次に現れる具体例、エピソード、引用などが同じ主張の関係です。
対立関係は、筆者の主張とは反対のものを持ち出す関係です。
因果関係は、筆者の主張があってそこから結論・結果を導き出すような関係です。

この3つのどれにあたるかを考えながら読めば、読み方を論理的に変えることが可能だとしています。

一般か具体か

論理力を各督するための読書テクニックとして具体一般を意識しながら読むことをあげています。

一般とは、筆者の主張で、本書では「命題」とも言っています。
具体は、一般に対して具体例やエピソードのことです。

一般から始まる文章は具体例を確認しながら読む、具体から始まる文章は一般を探すように読む。このように繰り返すことで論理の基本が習得できるのです。

論理力で速読にも通ずる

論理力の基礎を身につけ論理パターンを意識しながら読むことによって読書スピードは早くなります。なので、世に出回っているような速読は必要なくなります。
現在、わたしはフォトリーディングを勉強していますが、フォトリーディングでもこの論理力の基礎を知っておいたほうが良いような部分があります。なので、論理力も速度に通ずるのではないかと思います。

まとめ

本書のタイトルは『論理思考力をきたえる「読む技術」』となっています。わたしはそもそも論理的に読むことで効率的な読書ができるのかなと感じました。読んだほうが良いところ、流し読みで良いところがわかることで読書のスピードアップにも繋がります。さらには日常生活にも役に立つ能力が備わってくるのではないでしょうか。その意味でも今一度読む技術について学ぶのも良いと感じました。